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窓選びで家の長持ちが変わる|サッシとガラスの組み合わせと、長く使うための工夫

ドア、窓

家を建てるとき、窓のことを「明るさを取るもの」「景色を見るもの」という感覚で選んでしまう方が多いです。

ですが、以前の断熱記事でもお伝えしたように、窓は家の中で熱の出入りが最も大きい場所です。窓の選び方ひとつで、家の熱環境・結露・修繕・暮らしのランニングコスト——本当にいろいろなことが変わってきます。

今回は、長く住むための窓選びを、サッシ素材とガラスの組み合わせという観点からお伝えしていきますね。

窓は「サッシ(フレーム)」と「ガラス」の組み合わせで性能が決まる

窓を選ぶときに知っておきたいのが、窓は2つの要素で性能が決まるということです。

・①サッシ(フレーム)の素材
・②ガラスの構成

この2つの組み合わせによって、断熱性能・結露のしやすさ・価格が大きく変わってきます。

それぞれの選択肢を、順番に見ていきましょう。

サッシ(フレーム部分)素材の3つのタイプ

【アルミサッシ】

昔ながらの一般的なサッシです。

・価格が安く、軽くて扱いやすい
・耐候性が高い
・熱を通しやすいので、断熱性能は低い
・結露が非常に起きやすい

最近の新築では採用が減っていますが、まだ予算重視の物件などで使われることはあります。

【樹脂アルミ複合サッシ】

室内側が樹脂、外側がアルミというハイブリッドタイプです。

・結露しやすい室内側を樹脂にすることで、結露を抑えられる
・外側はアルミなので耐候性も確保できる
・価格・性能ともにバランスがよい
・現在、多くの住宅で採用されている主流タイプ

【樹脂サッシ】

サッシ全体が樹脂でできた、最も断熱性能が高いタイプです。

・結露が最も起きにくい
・寒冷地はもちろん、温暖地でも採用が増えている
・価格は高めだが、最近は普及が進んで価格も少しずつ下がってきている

ガラスの構成の3つのタイプ

【単板ガラス(1枚)】

ガラスが1枚だけのタイプです。

・古い住宅で多く使われている
・断熱性能は低く、結露が起きやすい
・現代の新築では、基本的に採用されません

【複層ガラス/ペアガラス(2枚)】

ガラスを2枚重ね、間に空気層やガス層を入れて断熱効果を高めたタイプです。

・現代の新築の標準
・単板ガラスと比べて、断熱性能が大幅にアップ
・結露も起きにくい

【トリプルガラス(3枚)】

ガラスを3枚重ねた、最高性能のタイプです。

・寒冷地や高性能住宅で採用が増えている
・価格は高く、窓自体も厚く重くなる

「サッシ×ガラス」の組み合わせで、実際の性能が決まる

ここで大切なのが、サッシとガラスのバランスです。

たとえば、ガラスをトリプルにしても、サッシがアルミだとサッシ部分が熱を通してしまうので、せっかくのガラスの性能を活かしきれません。

逆に、サッシを樹脂にしても、ガラスが単板だと、ガラスから熱が出入りしてしまいます。

「サッシ」と「ガラス」、両方をバランスよく考えることが、後悔しない窓選びの基本です。

現代の標準的な組み合わせは、樹脂アルミ複合サッシ+複層ガラス。寒冷地や高性能住宅では、樹脂サッシ+複層 or トリプルガラスが採用されています。

性能の悪い窓は、結露で家を痛めてしまうリスクがある

ここで、長持ちする家の視点で特に大事な話をお伝えします。

性能の低い窓を選ぶと、室内側に結露が大量に発生します。

そして結露が長期的に続くと、

・窓枠まわりの壁紙・木枠が痛む
・窓まわりにカビが発生する
・場合によっては、壁の下地材まで影響が及ぶ
・結果として、窓まわりの修繕が必要になる

——という、家の長持ちに直結する問題につながります。

以前の断熱記事でお伝えした「壁内結露」と同じ流れで、窓まわりの結露も家を痛めていく原因になるんですね。

窓の性能は、毎月のランニングコストを一生左右する

窓性能が低いと、家全体の冷暖房効率が大きく落ちます。

夏は熱が入ってきて、冬は熱が逃げていく。それを冷暖房で打ち消そうとすると、毎月の光熱費が上がります。

そして、この差が30年・40年と続くと、トータルコストでは数百万円規模の差になることも。

初期費用としては樹脂サッシのほうが高くても、生活全体のコストで考えると、長期では逆転することも珍しくないんです。

家の総コストを考えるなら、窓は「ケチりにくいパーツ」だと、私は感じています。

■ 窓まわりは、ヒートショックが起きやすい場所

家の中で、最も冷気が入りやすいのが窓まわりです。

窓性能が低いと、

・窓のそばだけが極端に冷える
・家の中の温度差が大きくなる
・ヒートショックのリスクが高くなる

——という連鎖が起きやすくなります。

特に寝室や、長く過ごすリビングの窓は、性能を妥協しないことをおすすめします。

性能が高い窓は、重くなる ⇒ 将来への備え

ここでひとつ、見落とされやすい話を。

性能が高い窓ほど、窓自体が重くなるんです。

特に引違い窓の場合、加齢で力が弱くなったときに、開け閉めが大変になることがあります。

対策として、

・サポートハンドル(開閉をサポートするハンドル)を後付けできる選択肢があります
・費用はかかりますが、将来「窓が重くて開け閉めが辛い」という事態を避けるための選択肢として、覚えておくと安心です

設計の段階で「この窓、年を取っても無理なく開け閉めできそうか?」を意識しておくのも、長く住む家のためには大切な視点です。

サポートハンドルの選び方や取り付け方の詳しい話は、また別の機会にお伝えしていきますね。

価格の目安は?

最後に、価格感の目安をお伝えします。

地域差・物価・採用するメーカーで大きく変わる前提ですが、感覚値として——

アルミサッシと樹脂サッシの差額は、家全体で数十万円規模になる可能性があります。

ただ、最近は樹脂サッシの価格も少しずつ下がってきていて、以前ほど大きな価格差ではなくなりつつあります。「ハイグレード」というよりは、「標準的な選択肢のひとつ」として、検討する価値が十分にあります。

窓選びの判断ポイント

ここまでをまとめると、窓選びで考えたい視点は以下の通りです。

・サッシ×ガラスの組み合わせをバランスよく:どちらかだけ高性能にしても効果が薄い
・長持ちの視点:結露で家を痛めない性能を確保する
・ランニングコストの視点:30年単位で考えると、初期費用との差は逆転することも
・健康の視点:ヒートショックリスクの低減
・将来の視点:重い窓の開け閉めへの備え(サポートハンドルなど)
・優先順位:すべての窓を最高性能にする必要はないが、北面・寝室・リビングなど大切な場所は妥協しない

窓ひとつとっても、考えたい内容がたくさんありますね。

おわりに

窓は、家の暮らしと寿命を大きく左右する重要なパーツです。

そして、今回お伝えしたのは「熱環境・長持ち・暮らしのコスト」という観点からの窓選びの話でしたが、窓にはもうひとつ大切な側面があります。

それは、デザイン・窓の形状・使い方による「見た目」や「明るさ」の話です。

同じ性能の窓でも、形・サイズ・配置によって、家の外観の印象も、室内の明るさや雰囲気も、まったく違ってきます。この話はまた別の記事で、詳しくお伝えしていきますね。

これから家づくりやリフォームをされる方の、判断材料のひとつになれば嬉しいです。

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