家づくりを考え始めたとき、最初に向き合うことになるのが土地選びです。
そして、長く住みたいと思える土地を選ぶことがとても大事になってきます。
ただ、土地選びは家づくりの中でも特に奥が深い分野で、いろいろな視点が絡み合っています。「土地は気に入ったけど、家を建てたら思ったのと違った…」というケースも、実際の現場ではよくあるんです。
今回は、その「土地選び」の概要を整理してお伝えしていきますね。
土地選びには「3つの側面」がある
まず最初に、土地選びの全体像をお伝えしておきます。
土地選びはざっくり整理すると、以下の3つの側面に分けられます。
・①土地自体の特徴(広さ・形・道路付け・日当たりなど)
・②土地情報の流通の仕組み(どこで探す?何を見る?)
・③法的な要件(用途地域・建ぺい率・容積率など)
それぞれが大切な要素ですが、すべてを一度にお話しすると情報が多すぎてしまうので、今回は一番イメージをつかみやすい①「土地自体の特徴」にしぼってお伝えしていきます。
②と③については、また別の記事で詳しくお伝えしていきますね。
今回お伝えする範囲について
土地の特徴は、エリアによって大きく変わります。
東京都心のような極めて狭小なエリアでは、また別の話になってしまうため、今回は対象外とさせてください。
ここからの話は、地方都市〜少し田舎の、40坪台〜100坪以上の土地を想定しています。地域差が大きい話なので、自分の住んでいる地域に当てはめながら、感覚をつかんでいただければと思います。
土地のサイズで「暮らしの広がり」が変わる
土地のサイズは、家の大きさだけでなく、暮らし全体の広がりに直結します。
たとえば、
・40坪台:コンパクトに建てる必要があり、駐車や庭はかなり工夫が必要
・60坪:そこそこの2階建てに、駐車2台、小さな庭は確保しやすい
・80坪:駐車3台、ある程度の庭、家まわりの余裕も出てくる(土地の形がよければ平屋も可能)
・100坪以上:平屋を建てても余裕があり、庭・駐車等も余裕を持って計画可
——というふうに、坪数ひとつで「家のまわりの余白」が大きく変わってきます。
そしてここが大切なのですが、土地のサイズは「家のまわりに何を置きたいか」で考えるとイメージしやすいんです。
・何台駐車したいか
・庭はほしいか、どれくらい
・軒の出を伸ばしたい場合、その分のスペースは取れるか
・将来、太陽光発電や物置を置くなら、その分のスペースは?
「家の大きさ」より、「家+家のまわり」で必要な広さを考えることが、後悔しない土地選びの第一歩になります。
土地の形でできることが変わる
土地は、同じ坪数でも形によって使いやすさが大きく変わります。
代表的な形を簡単にお伝えしますね。
・整形地(長方形・正方形):間取りの自由度が高く、最も家を建てやすい形
・旗竿地(はたざおち):細長い通路の奥に敷地があるタイプ。価格は抑えやすいが、駐車や採光に工夫が必要
・変形地(三角形・台形など):個性のある家を建てやすいが、設計の難易度は上がる
形によって「同じ坪数でも、実際に建物が建てられる部分の広さが違う」ということも、ぜひ知っておいてほしいです。
それぞれの形のメリット・デメリットは、また別の記事で詳しくお伝えしていきますね。
道路付けで、家の作りやすさが変わる
土地のどの方角に道路が接しているかを「道路付け」と言います。これも、家の設計に大きく影響する要素です。
・南道路:日当たりは取りやすいが、リビングが道路から見えやすくなる
・北道路:南側に庭が確保しやすく、日当たりとプライバシーの両立がしやすい
・東道路・西道路:朝日や西日の影響を考慮した設計が必要
・角地:2方向に道路があり、開放感があるが、価格は割高になりやすい
また、接道する道路の幅も大切です。狭い道路だと、駐車の出入りで毎日ストレスを感じることもあります。
日当たりは「方位」+「周辺」で決まる
「南道路だから日当たりは大丈夫」と思いがちですが、実際の日当たりは周辺の建物との関係で大きく変わります。
・南側にすでに大きな家が建っていれば、南道路でも日が入りにくくなる
・隣家との距離・高さによって、太陽の入り方は全然違う
・季節によって太陽の角度が変わる(夏は高い・冬は低い)
土地を見学するときは、できれば冬場の日当たりを意識して確認してみてください。冬の太陽は角度が低いので、夏に十分日が入っていた場所でも、冬には全然入らないということがあるんです。
可能であれば、季節を変えて何度か現地を見学するくらいの慎重さがあると安心ですね。
駐車台数で、必要な土地サイズは変わる
駐車スペースは、土地選びで意外と見落とされがちなポイントです。
・1台分・2台分・3台分で、必要な敷地の幅が大きく変わる
・来客用の駐車スペースも考慮するか
・自転車置き場、将来の家族の車もイメージする
そして、ここで以前お伝えした軒の出の記事とつながるのですが、駐車スペースを軒の下に確保できると、雨の日に車から玄関までほぼ濡れずに移動できます。土地と駐車スペースの位置関係も、暮らしの快適さに直結する要素なんですね。
平屋と2階建てで、必要な土地サイズは大きく違う
最近、平屋の人気が高まっていますが、平屋を建てるにはそれなりに広い土地が必要になります。
・平屋:1階だけで生活機能をすべてまかなうので、広い土地が必要(70〜100坪以上が目安)
・2階建て:上に伸ばせる分、土地のサイズを抑えやすい(40〜60坪でも対応可能なケースが多い)
また、最近では2階建てと平屋建ての中間的なイメージの1階に寝室を持ってくる2階建ても多くなっており、この場合も1階のサイズが大きめなので、土地はある程度広さが必要です。
これは、以前の間取り記事でお伝えした「1階で老後の生活が完結できる家」を目指す場合の事例となるので、土地のサイズが選択肢を大きく左右します。
「将来は平屋に憧れる」と感じている方は、土地選びの段階で平屋に対応できるサイズかどうかを意識しておくと、後悔が少なくなりますよ。
地域によって、土地のサイズ感も価格感も大きく違う
土地は、エリアによってサイズ感も価格感も大きく変わります。
【サイズ感】
・地方:100坪を超える土地も普通にある
・地方都市:50〜80坪が標準的
・都市部に近い地域:40坪台が中心になることも
【価格感(あくまで目安)】
・地方:坪10万円以下でも土地がたくさんある
・都市部:坪10〜40万円と大きな幅がある
・地方都市でも、人気のエリアや主要な駅の近くは:坪20〜40万円台になることも
ここでお伝えしたいのは、地域差が極端に大きいので、自分が検討しているエリアの相場を必ず確認することが大切ということです。
ネットで売買事例を調べる、地元の不動産会社に話を聞く、現地を実際に歩いてみる——こうした地道な情報収集が、土地選びでは何より効いてきます。
おわりに
土地そのものの見方は、家づくりの土台になる、とても大切なところです。
土地は「広いほうがいい」「日当たりがいいほうがいい」と単純には決められず、家族の暮らし方と土地の特徴を合わせて考えることが、後悔しない土地選びのカギになります。
そして、土地選びにはもうひとつ大切な側面がありました。
それが、「土地情報がどのように流通しているか」と「法的な要件」の話です。これらはまた別の記事で、詳しくお伝えしていく予定ですので、楽しみにしていてくださいね。
これから土地を探される方の、判断材料のひとつになれば嬉しいです。


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