土地選び②|土地情報の流通の仕組み・購入の流れ・諸費用までやさしく整理

土地
本記事にはアフィリエイト広告が含まれています。

前回の記事(土地そのものの見方)では、広さ・形・道路付け・日当たりなど「土地そのものをどう見るか」をお伝えしました。

今回はその次のステップとして、「いい土地が見つかったら、どうやって手に入れるのか」という仕組みのお話です。

実はここ、知らないまま進めると損をしたり、後で困ったりすることが意外と多いんです。土地は不動産取引という独特の世界なので、構造を知っているだけで安心して進められます。

現場で20年以上、土地購入に立ち会ってきた経験から、土地情報の流れ・購入手続き・かかるお金を整理してみます。このブログのテーマである「長持ちする家・住んでからお金がかかりにくい家」は、実は土地選びの段階から始まっているんです。これから土地探しを始める方の参考になれば嬉しいです。

土地情報はどこにある?|探し方の全体像

まず、土地の情報がどこにあるのかを整理しておきましょう。実は探す場所はいくつもあります。

・不動産ポータルサイト(SUUMO・LIFULL HOME’S・アットホームなど)
・地元の不動産会社(その地域に強い情報を持っている)
・建築会社経由(ハウスメーカー・工務店が土地情報を持っていることも)
・レインズ(不動産業者だけが見られる物件データベース)
・ご近所・知人経由(意外と「あそこの土地が売りに出る」という情報が回る)

ここで知っておいてほしいのが、ポータルサイトに出ている情報は、実は氷山の一角だということです。

不動産業者だけが見られる「レインズ」には、まだ一般公開されていない土地情報も載っています。だから、地元の不動産会社や建築会社に「こういう土地を探している」と伝えておくと、表に出る前の情報を教えてもらえることがあるんですね。

ポータルサイトを見るだけでなく、複数のルートから情報を集めるのがおすすめです。

不動産取引の構造的な仕組み|売主・仲介・買主

土地の取引には、基本的に3つの立場が登場します。

・売主:土地を売りたい人(個人の地主、不動産業者など)
・仲介業者:売主と買主の間を取り持つ不動産会社
・買主:土地を買いたい人(家を建てたいあなた)

多くの取引では、売主と買主の間に仲介業者が入って、情報提供・価格交渉・契約手続きを進めてくれます。

仲介手数料の仕組み

仲介業者に支払う手数料には、法律で上限が決められています。

仲介手数料の上限=売買価格 × 3% + 6万円 + 消費税
**なお、800万円以下の低額な土地の場合は、法改正により仲介手数料の上限が最大33万円(税込)まで認められるケースがあります。低額な土地ほど、手数料の割合が高くなる点は知っておくと安心です。

たとえば1,000万円の土地なら、上限は「1,000万円 × 3% + 6万円 = 36万円」、これに消費税がついて約39.6万円です。これは決して小さくない金額なので、最初に把握しておくと予算が立てやすくなります。

「両手取引」と「片手取引」

1つの仲介業者が売主と買主の両方を担当することを「両手取引」、売主側・買主側に別々の業者が入ることを「片手取引」と呼びます。仕組みとして知っておくと、業者との関係性が見えやすくなります。
こちらについては、意味が分かりにくいところなので、もちろんわからなくても大丈夫です。

仲介物件と売主物件の違い|仲介手数料が不要なケースとは

土地には、大きく分けて「仲介物件」と「売主物件」があります。ここは意外と知られていない大事なポイントです。

仲介物件
売主(多くは個人の地主)と買主の間に仲介業者が入る物件。仲介手数料が発生します。

売主物件
不動産業者自身が土地を所有して、直接売っている物件。この場合、間に仲介が入らないので仲介手数料が不要です。

先ほどの例だと、売主物件なら約39.6万円の手数料が浮く計算になります。これは大きいですよね。

ただし「売主物件=必ずお得」ではない

ここが現場の本音なんですが、売主物件にも注意点があります。

・売主=業者なので、業者の都合や利益が価格に乗っていることがある
・価格交渉の余地が、個人売主の仲介物件より限られることもある
・物件のバリエーションが、その業者が持っている土地に限られる

つまり、「手数料が浮く分、土地価格自体が割高」というケースもあるんです。手数料の有無だけで判断せず、土地価格そのものと合わせて総額で比較するのが大事ですね。

知っておきたい「建築条件付き土地」

土地を探していると、「建築条件付き土地」という表記をよく見かけます。これも知っておかないと後で戸惑うポイントです。

これは、土地と建築会社がセットになっている土地のことです。「この土地を買うなら、家はこの会社で建ててください」という条件が付いています。

特徴
・土地価格は比較的抑えめなことが多い
・ただし、自分で建築会社を自由に選べない
・一定期間内に建築請負契約を結ぶ必要がある

前回の住宅会社の選び方でお伝えしたように、家づくりは会社選びがとても大事です。建築条件付き土地は、その選択肢が最初から決まってしまうんですね。

現場では、「建築条件を外せませんか?」と交渉できるケースもあるので、気になる土地が建築条件付きだった場合は、一度相談してみる価値があります(ただし、条件を外す場合は土地価格が上がることが多いです)。

土地購入手続きの流れ

実際に「この土地を買おう」と決めてから、引き渡しまでの流れを整理します。

  1. 物件探し・現地確認:実際に足を運んで周辺環境もチェック
  2. 買付申込書の提出:「この条件で買いたい」という意思表示、価格の交渉もこの段階で行います
  3. 売買契約:手付金の支払い・契約書に印紙を貼る
  4. 住宅ローンの審査:土地分の融資審査
  5. 残金決済・引き渡し・所有権移転登記:残金を払い、名義が自分に移る

買付申込から引き渡しまでは、おおよそ1〜3ヶ月が目安です(地域・取引状況で変動します)。

特に注意したいのが、買付申込から契約までのスピード感です。人気の土地は他の購入希望者も動いているので、ある程度の決断力が必要になります。だからこそ、土地が見つかる前から準備をしておくことが大事なんですね。

住宅ローンとの関連|土地と建物のタイミング問題

ここは注文住宅で家を建てる方が、特につまずきやすいポイントです。

注文住宅の場合、土地を先に買って、その後で家を建てるという流れになります。つまり、家が完成する前に土地代金を支払う必要があるんです。

ところが、一般的な住宅ローンは「家が完成してから」融資されるのが基本。そこで使うのが「つなぎ融資」や「土地先行融資」という仕組みです。

・土地購入時・着工金・上棟金など、完成前のお金を立て替える融資
・銀行によって対応の有無や条件が違う

住宅ローンの基本記事でも触れましたが、ネット銀行などはつなぎ融資に対応していないこともあるので注意が必要です。

だからこそ、土地探しと並行して、住宅ローンの相談も早めに始めておくのが安心なんです。「いい土地が見つかったのに、ローンの準備が間に合わない」という事態を防げます。

土地購入にかかる諸費用の整理

土地は「土地価格」だけでは買えません。意外とまとまった諸費用がかかります。

・仲介手数料:仲介物件の場合(売買価格×3%+6万円+税)
・印紙代:売買契約書に貼る収入印紙
・登記費用:所有権移転登記・抵当権設定登記にかかる登録免許税
・司法書士手数料:登記手続きの代行費用
・固定資産税・都市計画税の精算金:その年の税金を売主と日割りで按分
・不動産取得税:後日(数ヶ月後)に請求される税金
・住宅ローン関連費用:事務手数料・保証料など(記事21参照)
・購入手続きまでの間に、農地転用等の各種申請を行う必要がある場合は実費

これらを合計すると、土地価格の5〜10%程度を見込んでおくと安心です(地域・物件・取引内容で大きく変動します)。

「土地価格ぴったりの予算」で動くと諸費用で足が出てしまうので、最初から諸費用込みで資金計画を立てるのが失敗しないコツですね。

現場でよく聞く土地選びの落とし穴

最後に、現場で実際によく見かける「土地選びの注意点」をいくつか挙げておきますね。

①「今すぐ申込みを」というプレッシャー
人気の土地ほど「他にも検討者がいます」と急かされることがあります。確かに決断力は必要ですが、焦って大事な確認を飛ばさないことも同じくらい大事です。

②長く売れ残っている土地には理由があることも
ポータルサイトに長期間出ている土地は、価格・形状・接道・周辺環境などに何か理由がある可能性があります。安いと感じたら「なぜ安いのか」を確認しましょう。

③古い建物が建っている土地
解体費用が別途かかったり、地盤の状態が確認しづらかったりします。解体費は誰が負担するのか、事前に確認が必要です。

④私道に接する土地・再建築不可の土地
接道の条件によっては、家が建てられなかったり、建て替えできなかったりするケースがあります。これは土地選び①でも触れた「道路付け」の話とつながります。

⑤土地が決まる前に建築会社の話も並行する
土地だけ先に決めてしまうと、「この土地だと希望の家が建たない」ということが起こりえます。土地と建物はセットで考えるのが、後悔しないコツです。

不動産会社や売主に聞くと良い質問

土地を検討するとき、こんな質問をしておくと安心です。

・「この土地は仲介物件ですか、売主物件ですか?」
 → 仲介手数料の有無が分かります
・「仲介手数料は具体的にいくらになりますか?」
 → 諸費用の見通しが立ちます
・「上下水道・ガスの引き込み状況は?引き込み費用は誰の負担ですか?」
 → 引き込みがないと数十万〜百万円単位の費用がかかることも
・「建築条件は付いていますか?外すことはできますか?」
 → 会社選びの自由度が分かります
・「価格交渉の余地はありますか?」
 → 売主の事情次第で動くこともあります
・「過去に売却歴のある土地ですか?」
 → 何度も売りに出ている土地は理由を確認

これらに丁寧に答えてくれる不動産会社かどうかも、信頼できるパートナーを見極める材料になりますね。

おわりに|土地選び③へつづく

今回は、土地情報の流れ・取引の仕組み・購入手続き・諸費用までを整理しました。

土地は家づくりのいちばん最初の、そして最も大きな土台です。ここを仕組みから理解して丁寧に進めれば、その後の家づくりもずっと安心して進められます。

土地選びシリーズは、今後も続けていく予定です。

・土地選び③:用途地域・建ぺい率・容積率(土地の法的なルール)
・土地の形状別の深掘り(旗竿地・変形地・角地)
・地盤改良工事と土地の関係

土地・住宅ローン・会社選びは、家づくりの初期に同時並行で進めていくものです。それぞれの全体像を知っておくと、慌てずに判断できるようになりますよ。

これから土地探し・家づくりをされる方の参考になれば嬉しいです。

コメント

タイトルとURLをコピーしました