家づくりを進めていると、「補助金」「減税」という言葉はよく耳にしますよね。でも、制度の名前が毎年のように変わったり、条件が細かかったりして、なんとなく後回しにしてしまう方が多いんです。
私も毎年様々な補助金事業が名前を変えつつ出てくるので、毎回把握するのが大変です(汗)
ただ、家は金額がとても大きい買い物です。だからこそ、もらえるお金や戻ってくるお金の差が、数十万円から、場合によっては百万円を超えることもあるんです。
今回は、制度を全部暗記するための記事ではありません。「どういう仕組みでお金が動くのか」という”地図”を持ち帰っていただくことを目指して、2026年春時点での状況をもとに、やさしく整理していきます。
※この記事は2026年春時点の情報をもとにしています。補助金や減税は年度ごとに名称・金額・期限が変わります。実際に検討される際は、必ず最新の公式情報や、依頼先の住宅会社にご確認くださいね。
家づくりのお金の支援は、大きく2種類あるんです
最初に、ざっくり全体像を押さえておきましょう。家づくりで使えるお金の支援は、大きく分けると2つあります。
- ① 補助金:条件を満たすともらえるお金(国や自治体から)
- ② 減税:払う税金が減る仕組み(住宅ローン控除など)
この2つ、入り口は違うのですが、実は共通点があります。それは、「家の性能」が高いほど有利になりやすい、ということなんですね。
逆に言うと、補助金も減税も「どんな家にするか」とセットで決まってくる、ということです。ここを押さえておくと、このあとの話がぐっとわかりやすくなりますよ。
補助金は「家の性能」で金額が変わる
2026年春時点で注目されているのが、「みらいエコ住宅2026事業」(環境省・国土交通省)という補助金制度です。省エネ性能の高い家を建てる人を後押しする制度ですね。
特徴は、家の性能のランクが上がるほど、補助金の金額も階段状に増えていくという点です。2026年春時点では、おおまかに次のようなイメージになっています。
- GX志向型住宅(いちばん省エネ性能が高い):1戸あたり最大125万円ほど ※全世帯が対象
- 長期優良住宅:最大80万円ほど ※子育て世帯・若者夫婦世帯が対象
- ZEH水準住宅:最大40万円ほど ※子育て世帯・若者夫婦世帯が対象
※金額は建てる地域(寒い地域かどうか、など)によっても変わります。また、これらは2026年春時点の目安で、前の年から金額が見直されているケースもあります。
ここで一つ、大事なお話をさせてください。
「いちばん上のランク(GX志向型)を狙えば、補助金がたくさんもらえてお得じゃない?」と感じますよね。気持ちはとてもよくわかります。ただ、上のランクを目指すほど、高性能な断熱材や設備が必要になって、家そのものの建築コストも上がっていくんです。
つまり、補助金が多いランクほど、最初にかかるお金も増える、ということ。「もらえる補助金」と「上乗せでかかる費用」のバランスを見て判断するのがおすすめだと、私は思っています。
長期優良住宅は取っておいたほうがいい?(賛否がある前提で)
補助金や減税の話で必ず出てくるのが、「長期優良住宅」という言葉です。
ざっくり言うと、長く良い状態で住み続けられるように、一定の基準(耐震性・省エネ性・劣化対策・メンテナンスのしやすさなど)を満たした家として、国に認定してもらう仕組みですね。
このブログでずっとお伝えしてきた「長持ちする家」という考え方とも、相性のいいテーマなんです。
メリット
- 補助金や住宅ローン控除で有利になりやすい(このあと減税の話で出てきます)
- 何より、長く住むための一定の基準を満たした家になること。これは将来のメンテナンス負担を考えるうえでも、安心材料になりますね
気をつけたい点・賛否のあるところ
正直にお伝えすると、長期優良住宅には「必ず取るべき」とまでは言い切れない部分もあります。
- 認定をとるために、設計段階の審査や、工事中の現場検査が必要になります。その分、手間や費用、書類の準備が増えるんですね
- 「認定にかかるコストほどのメリットを感じない」という声も、一定数あります
- 家の仕様や予算、住む年数の見通しによっては、無理に取らなくてもいいケースもあります
ですので、私のスタンスとしては——条件が合うなら、取っておく価値は十分にあると思います。ただし、かかる手間とコストも含めて、トータルで判断していただくのがいい、という温度感です。長く住む家の基準を満たせること自体に意味がある、という見方もできますね。
GX(省エネ最上位)はどう考える?
先ほど出てきたGX志向型住宅は、省エネ性能のいちばん上のランクで、補助金も手厚く設定されています。
ただ、ここでも考え方は長期優良住宅と似ています。補助金が増える反面、そのレベルの性能を出すための設備機器(高効率な空調や給湯、太陽光など)の導入コストも上がっていくんですね。
このあたりは、実は賛否が分かれるところでもあります。「これからの時代は高性能が当たり前」という考え方もあれば、「自分たちの暮らしや予算に対して、そこまでの性能が本当に必要か」という見方もあります。どちらが正解、というものでもないんです。
以前、断熱の記事でも「最高性能を目指すより、暮らしと予算に合うバランスが大事」とお伝えしました。補助金についても、同じ考え方が当てはまると思っています。もらえる金額に引っ張られて、予算オーバーや過剰な設備にならないように、ご自身の暮らしに合うラインを探していただくのがおすすめです。
わかりにくい「住宅ローン控除」をやさしく
補助金とならんで大きいのが、(住宅ローン減税)です。仕組みが少しわかりにくいので、ここは丁寧にいきますね。
基本の考え方
ざっくり言うと、年末時点のローン残高の一定割合(0.7%)が、その年に払う所得税などから差し引かれて戻ってくる、という仕組みです。これが新築の場合、原則として13年間続きます。
たとえば年末のローン残高が3,000万円なら、その0.7%にあたる約21万円が、その年の税金から差し引かれる、といったイメージですね(実際には払っている税額などによって変わります)。
ここでも「家の性能」が効いてきます
住宅ローン控除のわかりにくいところであり、大事なポイントがここなんです。
家の性能によって、「控除の対象にできるローンの上限額(借入限度額)」が変わるんですね。2026年春時点では、新築でおおよそ次のようなイメージになっています(子育て世帯・若者夫婦世帯かどうかでも変わります)。
- 認定長期優良住宅・低炭素住宅:上限5,000万円ほど(子育て・若者夫婦世帯)/その他世帯は4,500万円ほど
- ZEH水準の省エネ住宅:上限4,500万円ほど(子育て・若者夫婦世帯)/その他世帯は3,500万円ほど
- 省エネ基準を満たす住宅:上限2,000万円ほどに引き下げ
※「子育て世帯」は19歳未満のお子さんがいる世帯、「若者夫婦世帯」はご夫婦のどちらかが40歳未満の世帯、という区分です。
ここで気づいていただきたいのは、性能が高い家ほど、控除できる枠も大きくなるということ。さらに近年は、省エネの基準を満たさない新築は、そもそも控除の対象から外れる方向になってきています。
つまり——補助金も、住宅ローン控除も、「家の性能を上げると有利になる」という同じ方向を向いているんですね。冒頭でお伝えした”地図”が、ここでつながってきます。
打ち合わせで使える行動指針
最後に、実際の家づくりで使えるかたちに落とし込んでおきますね。
補助金や減税は、会社選びや打ち合わせの早い段階で確認しておくのがおすすめです。以前の会社選びの記事でもお伝えしましたが、こうした制度に詳しいかどうかも、住宅会社を見極める一つの材料になります。
打ち合わせのときは、たとえばこんな質問が役に立ちますよ。
- 「この仕様だと、どの補助金の対象になりますか?」
- 「長期優良住宅は取れますか? 費用と手間はどのくらいかかりますか?」
- 「住宅ローン控除の借入限度額は、この家だといくらになりますか?」
- 「補助金の申請はどちらがやってくれますか? 期限はいつまでですか?」
補助金は、申請を施工会社が代行することも多く、また予算がなくなり次第終了したり、期限が決まっていたりします。「あとで申請しよう」と思っていたら間に合わなかった、ということもあるので、早めの確認がおすすめです。
おわりに
補助金や減税の制度は、たしかに複雑です。でも、「家の性能を上げると、補助金も減税も効いてくる」という地図さえ持っていれば、細かい数字に振り回されずに判断しやすくなりますよね。
そのうえで、もう一つだけ。もらえるお金に引っ張られて、必要以上に予算オーバーになってしまっては、住んでからのお金で大変な思いをしかねません。「制度を上手に使いつつ、自分たちの暮らしに合うバランスを探す」——そのくらいの気持ちで向き合っていただくのが、ちょうどいいのかなと思っています。
なお、補助金も住宅ローン控除も、年度ごとに内容が変わります。この記事は2026年春時点の状況をもとにしていますので、実際に検討される際は、最新の情報や住宅会社への確認も忘れずにしてくださいね。
これから家づくり・リフォームをされる方の参考になれば嬉しいです。


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