外構は別業者に頼んでいい?ハウスメーカー経由が高くなる理由と決めるタイミングを住宅の専門家が解説

住宅全般
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「外構だけ、別の業者さんに頼んでもいいですか」

打ち合わせの途中で、少し言いにくそうにこう聞かれることがあります。結論から言うと、まったく問題ありません。

うちの会社でも、そう言われて困ることはないんです。むしろ「どうぞ」とお伝えしています。

ただ、外してほしくないことが2つだけあります。順番時期です。ここを外すと、同じ工事なのに金額が上がったり、そもそもできなくなったりします。

この記事でわかること

  • 外構を別業者に頼んで問題ない理由と、ひとつだけある例外
  • ハウスメーカー経由が高くなる仕組みと、「経由」の2つのタイプ
  • 着工前にやらないと、あとで高くつく工事
  • 住宅ローンと住宅ローン控除の扱い
  • 外構費用の目安と、予算が膨らまない決め方
  • いつまでに業者を決めればいいか

外構だけ別の業者に頼むのは、問題ありません

うちでも外構の提案はできます。ただ、しっかり施工する分、単価が安いほうではないんです。

なので、コストを重視される方に「必ずうちでやってください」とは言いません。外構は、必ずしも建物と同じ会社でなくて大丈夫です。

ただ、ひとつだけ例外があります。造成が入る土地や、敷地に高低差がある場合です。

このときは、できれば一緒にやらせてほしいとお伝えしています。建物側と外構側で決めることが絡み合うので、同じ会社が見ているほうが現場の調整がしやすく、施工上の問題も起きにくいんです。

なぜハウスメーカー経由だと高くなるのか

理由はシンプルで、間に1社多く入るからです。

元請けの住宅会社が外構会社に発注して、その外構会社が職人さんを手配する。この形だと、住宅会社が直接職人さんに頼む場合より、どうしても1社分のコストが乗ります。

どのくらい乗るかは、会社によってかなり違います。体感では、10%くらいで収まることもあれば、20〜30%ほど乗ることもある。そのくらいの幅で見ておいてください。

ただ、その分がまるまる無駄かというと、そうでもないんです。中間で利益を取る代わりに、現場の管理も引き受けることになります。

工程の管理、現場の管理、職人さんへの指示、打ち合わせ。外構のプランを誰が描くかにもよりますが、そのすり合わせも入ってきます。

そしてもうひとつ、知っておいてほしいことがあります。ひとことで「経由」と言っても、実は2つのタイプがあるんです。

①下請け発注型②紹介料型
打ち合わせ住宅会社の担当者が最後まで入る早い段階から外構業者が出てくる
プランを描く人住宅会社、または下請けの外構会社提携している外構業者
住宅会社の役割工事を発注し、現場を管理する業者を紹介し、間に入る
上乗せの中身管理と調整の手間紹介料(マージン)に近い

どちらが悪いという話ではありません。ただ、自分が受けている提案がどちらなのかは、知っておいて損はないと思います。

見分け方は難しくありません。打ち合わせに誰が出てくるか、プランを誰が描いているか。この2つでだいたい分かります。

このあたりは、土地を買うときの仲介手数料とまったく同じ構造なんですね。誰が誰から手数料を受け取っているのかが分かると金額の見え方が変わるので、気になる方は土地の仲介手数料の仕組みを整理した記事ものぞいてみてください。

別業者にすると、現場で何が起きるか

意見が分かれやすいところは、だいたい決まっています。高低差の処理、配管のルート、それに電源まわりです。

中でも多いのが高低差と給排水ですね。外構業者さんごとに考え方の違いがあるので、住宅側と意見が合わないことがたまにあります。

工期のほうは、心配されなくて大丈夫です。外構工事はどちらに頼んでも建物が完成したあとの工事になるので、差はほとんど出ません。

もうひとつ、先にお伝えしておきたいことがあります。

外構の打ち合わせの場で、新築工事の配管の取り回しや高低差の設定について指摘を受けた、という話をときどき耳にします。言われたほうは「うちの家、大丈夫なんだろうか」と不安になりますよね。

ただ、その多くは考え方の違いなんです。同じ敷地でも、建物側から見るか外構側から見るかで、優先するものが変わることは珍しくありません。

だから外構が別の会社になると分かった時点で、そういう場面があるかもしれません、と先にお話しするようにしています。

もし言われたときは、その場で判断しないでください。建てた会社にも一度聞いてみると、たいてい理由があります。

着工前にやらないと、あとで高くつく工事があります

ここが、この記事でいちばんお伝えしたいところです。

よくあるのが、北側に道路がある、南北に長い長方形の土地。北側の道路側に駐車場、その南に家、さらに南に庭をつくる配置です。

このとき、建物の東西の幅を敷地いっぱいまで使って建てるとどうなるか。家の南側は、人は通れても重機が通れる幅が残らないんです。

庭に重機が入らないと、あとから工事をしようとしても人力になります。余分な人員が必要で割高になりますし、内容によっては物理的に難しいこともあります。

境界の工事も同じです。家が建ったあとだと隣の敷地との間が1mくらいしか空いていないことがあって、そうなると重機はまず入りません。

⚠️ 配置図ができたら、これだけ聞いてみてください

着工前にやっておいたほうがいい部分だけは、建てる会社に最低限お願いしておくのが安全です。「家の周りに重機が通れる幅は残りますか」——この質問ひとつで、あとの選択肢がずいぶん変わります。

住宅ローンには組めるのか、控除はどうなるのか

借入については、あまり心配いりません。外構工事の分もローンの枠に組み込んでもらえることが非常に多いので、別の業者さんになっても問題ないことがほとんどです。

ひとつコツがあるとすれば、金融機関に「外構はまだ業者が決まっていません」と早めに伝えておくこと。これだけで進みがスムーズになります。

一方、住宅ローン控除のほうは少し事情が違います。

原則として、外構工事は住宅ローン控除の対象外です。例外として、家屋と併せて同じ業者から取得する門や塀などで、その金額が僅少(家屋と門塀の合計の10%未満)と認められる場合は、家屋の取得対価に含めてよい、という扱いになっています(国税庁の考え方・2026年時点)。

つまり別の業者に頼むと、この例外は使えません。

とはいえ、もともと「僅少な部分だけ」の話です。これを理由に別業者をやめるほどの差にはなりにくいと思います。

※税制は年度で変わります。実際の申告は、税務署や税理士さんに確認してくださいね。

保証はどこまで、誰の責任になるのか

外構工事が原因で建物側に不具合が出て、やり直しや修理が必要になった場合。この費用は、外構業者さんに負担してもらうのが一般的です。

建物の保証がきちんと残るようにしておく。それが良心的な会社のスタンスだと思っています。

実際にあった話をひとつ。以前、外構業者さんが重機で外壁を傷めてしまったことがありました。

このときは費用を負担してもらって解決しています。ただ、損傷が大きい場合は程度の問題も出てくるので、例外的なケースもあるかもしれません。

契約の前に「建物に傷をつけてしまったときはどうなりますか」と一言聞いておくと安心ですよ。

外構費用はいくら見ておけばいいか

少し前までなら、200万円くらいで土間打ちと防草シート+砂利敷き、それに一部のフェンスくらいはできる可能性がありました。

ただ、最近は値上げが続いています。体感では、200万円でガッチリした外構工事をするのは難しい印象です。

最低でも200万円から。できれば300万円くらいは見ておきたいところです。

敷地が広かったり、やりたいことが多い場合は、400〜500万円かけても足りないことがあります。

金額が大きく動くのは2つ。ひとつは土間打ちで、面積が広いと一気に上がります。もうひとつが敷地境界の工事で、擁壁やブロック、フェンスは施工する距離によって驚くほど変わります。

(※地域や土地の条件、カーポートの有無でも変わります。2026年時点の感覚です)

そして、いちばん大事なことを。

先に「どこまでやるか」をざっくり決めて、その予算の中で優先順位をつけてください。これをやらないまま進めると、総額はどんどん上がっていきます。

全部やりたくなる気持ちは、よく分かります。ただ、あとから足せる部分もあるんですよね。

決めるタイミングと、引っ越しの時期

断られること自体は、本当に問題ありません。

困るのは別のケースです。工事をしたい時期が近づいているのに、どの会社にするかが決まらない。そして急にお願いされたうえで、前に打ち合わせしていた工期でやってほしいと言われる。これはさすがに苦しいです。

職人さんの手配は、前の現場の状況や天候に左右されます。急に人を集めるのは、やっぱり難しいんですね。

うちは直接職人さんを手配するので融通が利くほうですが、それでも外構工事を始めたい時期の1〜2ヶ月前が限界です。混んでいる時期は、少し着工待ちになることもあります。

伝え方は簡単で、「外構は別で考えています」と早めに一言もらえれば十分です。契約前に言っていただいても失礼にはなりません。むしろ助かります。

もうひとつ、引っ越しの時期にも関わってきます。

敷地が広ければ、外構工事と新しい家での生活を並行して進められます。でも、庭の工事が終わらないと駐車場が使えないような土地だと、外構が完成するまで前の住まいで暮らしていただくことになります。

工事の期間は、簡単なもので2週間ほど。そこそこの内容なら1ヶ月くらいは見ておいてください。

住みながらの工事になる場合は、足元に気をつけてくださいね。土地が掘り起こされて、段差ができていることがあります。

それと、コンクリートを打った直後。お子さんやペットがうっかり乗ってしまわないように、そこだけは気を配ってあげてください。

よくある質問

Q1. 外構を別業者にすると、住宅ローンに組み込めなくなりますか?

組み込めることが非常に多いです。ただ、金融機関には「外構の業者はまだ決まっていない」と早めに伝えておくと、話がスムーズに進みます。

Q2.「外構は別で頼みます」と伝えるのは、いつがいいですか?

早ければ早いほど助かります。契約前でも失礼にはなりません。遅くとも、外構工事を始めたい時期の1〜2ヶ月前までには決めておいてください。

Q3. カーポートの確認申請は、誰が出すことになりますか?

建物と一緒にうちで施工する場合は、うちで申請を出します。別の業者さんに頼む場合は、その業者さんに出してもらうのが一般的です。ここを飛ばしてしまうと、次に増築や建て替えをするときに困ります。詳しい話はカーポートの確認申請をしないとどうなるかを整理した記事にまとめました。

Q4. 外構業者さんから「この家の配管の取り回しはよくない」と言われました。どうすればいいですか?

その場で判断しないでください。考え方の違いであることが多いので、建てた会社にも理由を聞いてみてください。両方の話を聞いてから決めても、遅くはありません。

おわりに

外構は、家が建ってから考えればいい。そう思われている方が多いんですが、実は敷地の使い方は、建物の配置を決めた時点でほとんど決まってしまいます。

だから、どこに頼むかを決めるより先に、ひとつだけ聞いてみてください。「重機が入れるうちにやっておいたほうがいい部分は、どこですか」

この一手間があるかどうかで、住み始めてから庭に何かを足したくなったときの動きやすさが、ずいぶん変わります。

家は建てて終わりではなくて、そのあと何十年も付き合っていくものですから。

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