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家族の変化と加齢に備える間取りのヒント/長持ちする家にするには|

間取り

家づくりやリフォームを考えるとき、最も家族の意見が分かれやすいのが間取りではないでしょうか。

家族構成、年齢、土地の広さ、地域、ライフスタイル——どれも家によって違うので、間取りに「絶対の正解」はありません。だからこそ、何を優先するかで家族の中でも意見がぶつかってしまうこともよくあります。

ただ、ひとつだけ共通して言える視点があります。

「長持ちする家・長く住める家・身体や金銭で負担の少ない家」——この視点で間取りを考えると、家族の事情が違っても、共通して意識したいヒントが見えてきます。

今回は、これまでの記事とは少し違う「ソフト面」からの長持ちする家のヒントを、間取りという切り口でお伝えしていきますね。

なお、今回お伝えする内容は「こうしないとダメ」というルールではなく、それぞれの家族に合わせて取捨選択していただくヒントとして読んでいただければと思います。

■ 間取りで意識したい3つの視点

長持ちする家の間取りを考えるうえで、共通して大切にしたい視点は3つあります。

①大掛かりなリフォームをしなくていい間取り
②家族構成の変化に簡単に対応できる間取り
③加齢による体の変化に対応しやすい間取り

「今の家族構成での暮らしやすさ」は、ハウスメーカーさんの提案書でもしっかり考えてもらえることが多いです。ですが、10年後・20年後・30年後の視点まで含めて間取りを考える機会は、意外と少ないのが現実です。

ここから、具体的なヒントを順番にお伝えしていきます。

■ 1階に「老後の生活が完結できる」スペースを

土地の広さによっては難しい場合もありますが、可能であれば1階に老後の生活が完結できるスペースを確保しておきたいところです。

具体的には、1階に以下の機能を持たせられると理想的です。

・寝室にできるスペース
・衣類が収納できる場所
・家事がラクにできるレイアウト

年齢を重ねると、階段の上り下りは想像以上に体に負担になります。1階で生活が完結できる構造にしておけば、加齢で2階の上り下りが辛くなった時でも、家の中で快適に過ごすことができるんです。

「今は2階に寝室があって全然問題ない」と思っていても、20年後・30年後の自分のために、1階に設計の余白を残しておく——これが、長く住める家のひとつの大切な考え方です。

■ 廊下を最小限にすると、長持ちと快適性が両立する

もうひとつ、ぜひ意識してほしいのが廊下を最小限にするという考え方です。

これは人によって価値観が分かれるところでもありますが、長持ち・快適性・断熱の面で大きなメリットがあります。

【廊下を減らすと、家全体が温まりやすい】

最近の家は高断熱仕様が増えています。部屋と部屋を上手につなぐ間取りで廊下を最小限にできれば、家全体が一体的に温まりやすくなります。

この効果は想像以上に大きく、

・冬場のヒートショックを予防できる
・家の中での温度差がなくなり、普段の生活ストレスが格段に減る
・冷暖房効率が上がり、光熱費の負担も軽くなる

「家の中での温度差が少ない」というのは、住んでみると本当に大きなメリットだと感じます。冬場にトイレや洗面所に行くのが寒くて辛い、という日常的なストレスがなくなるだけで、暮らしの質が大きく変わるんですね。

【廊下が短いと、加齢時の動線もラクになる】

廊下が長いと、加齢でゆっくり歩くようになった時、家の中の移動だけで疲れてしまうことがあります。動線がコンパクトにまとまっている家は、年を重ねるほど暮らしやすさを実感できるものです。

■ 洗濯動線をコンパクトに、家事ラクの基本

家事の中でも、特に毎日の負担になりやすいのが洗濯です。

「お風呂→洗濯機→物干し」の動線が長いと、それだけで毎日の負担になります。逆に、この動線がコンパクトにまとまっている家は、家事の負担が劇的に減るのです。

さらに、その動線の途中に衣類の収納スペースが少しでも取れると、家事の楽さは別次元になります。

・洗濯→干す→たたむ→しまう、の一連が短い動線で完結する
・普段着る服だけでも収納できるスペースがあれば、毎日の家事がぐっと楽
・加齢して体が動かしにくくなっても、負担が少ないまま家事を続けられる

これは「今の暮らし」だけでなく、「将来の暮らし」までも楽にしてくれる、大切な視点です。

■ 家族構成の変化に対応できる工夫を、最初から仕込んでおく

間取りで意外と忘れられがちなのが、家族構成は時間とともに必ず変わるということです。

・子どもが生まれる、増える
・子どもが独立する
・親と同居する可能性
・夫婦2人だけの暮らしに戻る

家族構成の変化に対応できる工夫が最初から仕込まれていない家は、後から大掛かりなリフォームが必要になったり、最悪の場合は住み替えが必要になることもあります。

逆に、最初から将来の変化を見越して準備された家は、簡単な工事だけで対応できることが多く、長く住み続けることができます。

具体的な工夫として、

・子ども部屋を将来仕切れる/つなげられる構造にしておく
・大空間を1部屋で作っておき、必要に応じて間仕切りを追加できる設計
・配管・配線の経路を将来の用途変更も見越して計画しておく

こうした準備ができている家は、お金をあまりかけずに長く住める家になります。

■ ソフト面の「長持ち」も、家の寿命に直結する

これまでの記事では、外壁・屋根・基礎・防蟻処理など、「ハード面」での長持ちをお伝えしてきました。

ですが、今回お伝えしている「間取り」は、ハードではない「ソフト面」での長持ちの話です。

ソフト面の長持ちとは——

・大掛かりなリフォームをしなくても、家族の変化に対応できる
・加齢しても、無理なく快適に住み続けられる
・家事や日常の動線が、住む人の体に優しい

これらが整っている家は、結果としてお金をあまりかけずに、長く快適に住める家になります。

家の寿命は、建物の構造や素材だけでは決まりません。「住む人にとって、ずっと住みやすいかどうか」も、家の寿命を決める大きな要素だと、私は考えています。

■ おわりに

間取りは家族の生活そのものを形にする、家づくりの中で最もクリエイティブな部分です。

人それぞれの価値観や事情があるので、今回お伝えしたヒントがすべての方に当てはまるわけではありません。ぜひ、ご家族で「どこを大切にしたいか」を話し合いながら、ヒントを取捨選択して使っていただけたらと思います。

そして、今回少しだけ触れた「収納」については、住んでみて便利だった配置や作り方の工夫がたくさんあります。そちらは、また別の記事で詳しくお伝えしますね。

これから家づくりやリフォームをされる方の、判断材料のひとつになれば嬉しいです。

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