エコキュートは後悔する?8年目からの故障・湯切れ・水圧と、新築での給湯器の選び方を住宅の専門家が解説

住宅設備
本記事にはアフィリエイト広告が含まれています。

この記事でわかること

  • エコキュートで後悔しやすいポイント(湯切れ・水圧・電気代・故障)
  • エコキュート・ガス・ハイブリッドの違いと、将来かかるお金
  • 新築で後悔しない給湯器の選び方(地域と暮らしで変わります)

新築の打ち合わせで、意外と後回しにされがちなのが給湯器です。

でも、いざネットで「エコキュート」と調べると、「後悔した」「やめとけ」「ガスに戻したい」——そんな言葉がずらりと出てきて、不安になった方も多いのではないでしょうか。

正直にお伝えすると、その不安は”半分あたり・半分はずれ”です。エコキュートには確かに弱点がありますが、合う家ではしっかり活躍してくれます。

ネットの情報は、給湯器を売りたい業者が書いたものがほとんど。だから今日は、住宅会社で新築の給湯器を選んできた立場から、後悔しやすいポイントと、新築でどう選べばいいかを、できるだけ中立にお話しします。

エコキュートで後悔しやすい5つのポイント

まずは、正直な弱点から。私が現場でお客さんから聞く”後悔の声”は、だいたいこの5つに集まります。

ひとつめは、湯切れ。エコキュートは夜のうちにお湯をタンクにためておく仕組みなので、使いすぎるとお湯が足りなくなります。とくに、お子さんがシャワーで遊んでしまうようなご家庭だと、けっこう起こりやすいんですね。

ふたつめは、シャワーの水圧。これは意外と知られていません。エコキュートは「高圧タイプ」を選んでおかないと、アパートなどでガス給湯器に慣れていた方は、水圧を弱く感じることが多いんです。

みっつめは、追い焚きの弱さ。ガス給湯器に比べると、追い焚きの力は控えめな傾向があります。

よっつめは、昼間の電気代。エコキュートは夜間の安い電気でお湯を沸かしますが、その代わり昼間(だいたい10〜17時)の電気は割高なプランになりがちです。最近は電気代自体が上がっているので、そこも頭に入れておきたいところです。

いつつめが、故障。これは次で詳しくお話ししますが、だいたい8年目あたりから、エラーや不調が出はじめる印象があります。

でも、一概に「悪い」わけではありません

ここまで弱点を並べましたが、エコキュートを否定したいわけではないんです。

いちばんの強みは、ランニングコスト(毎月の光熱費)の安さ。夜間電力でお湯を沸かすぶん、使い方が合えば、月々の負担はしっかり抑えられます。

とくに、あとで触れますが、プロパンガスのエリアでは、エコキュートのほうが総額で安くなりやすいんです。「後悔」の声は目立ちますが、暮らし方と地域が合えば、十分に”あり”な選択肢だと思いますよ。

まずは3タイプを並べて見てみましょう

給湯器は、大きく3つのタイプがあります。新築で迷うのはたいていこの3つなので、ざっと比べてみましょう(2026年時点の目安です)。

エコキュートガス(エコジョーズ)ハイブリッド
本体+工事費40〜60万円安め高め(2〜3割~)
毎月の光熱費安い(夜間電力)ガス単価しだい中間
交換費用40〜60万円6〜15万円高め
湯切れ起こりうるほぼ無し少ない
水圧高圧タイプ推奨強い強め
お湯の性質ためたお湯その都度沸かすためる+その都度

こうして並べると、「どれが一番」とは言い切れないのが分かると思います。強みと弱みが、きれいに裏返しになっているんですね。

【将来コストの本音】壊れたとき、いくら痛いか

ここが、設計者としていちばんお伝えしたいところです。給湯器は10〜15年で必ず寿命が来ます。だから”買うときの値段”だけでなく、”壊れたときいくらかかるか”まで考えて選んでほしいんです。

エコキュートは、8年目あたりから故障やエラーが目立ちはじめて、10〜15年で交換になることがほとんどです。そのときの費用は、古い機械の撤去・処分から新しい設置まで含めて、少なく見ても40〜60万円ほど。けっこうな出費ですよね。

一方、ガス給湯器は、10年を超えたあたりから修理が増える印象ですが、交換の費用はエコキュートの半分以下、6〜15万円ほどで済むことが多いです。この差は、10年後・20年後にじわりと効いてきます。家全体で将来どれくらいメンテナンス費用がかかるかは、30年間のメンテナンス費用をまとめた記事でも整理しています。

ハイブリッドは、新規で入れるときにエコキュートより2〜3割ほど高く、壊れたときの修理費も高めです。「光熱費が安くなる」という将来の得と、「交換で大きく出ていく」将来の出費を、両方見て判断したいところです。

これは、太陽光発電や全館空調、床暖房とまったく同じ考え方なんです。設備は、導入時より”10年後にいくらかかるか”で家計に効いてきます。

新築では、どう選べばいい?

では、新築で実際どう選ぶか。私がお客さんにお伝えしている考え方を、そのままお話ししますね。

大前提として、正解は地域と暮らし方で変わります。「みんながエコキュートだから」で決めるものではないんです。

あなたはどっち? 選び方の目安

  • 都市ガスのエリア → ガス(エコジョーズ)も十分に検討しやすい
  • プロパンガスのエリア → エコキュートのほうが総額で安くなりやすい
  • お湯の衛生面が気になる → ためたお湯が気になる方は、その都度沸かすガスを選ぶ人も
  • シャワーの水圧を重視 → エコキュートなら高圧タイプを、それでも不安ならガスを
  • 毎月の光熱費を最優先 → エコキュートも十分に”あり”

私自身は、「ランニングコスト重視ならエコキュートも全然あり」というスタンスです。ただ、ためたお湯の衛生面を気にしてガスを選ぶ方もいますし、水圧が気になる方もいます。そういう”気になりポイント”を先にお伝えして、総額とあわせて一緒に考えるようにしています。

ハイブリッド給湯器を選ぶなら、2つの注意

ハイブリッド給湯器(電気とガスのいいとこ取りをうたうタイプ)も、選択肢としては魅力的です。ただ、設計者としては2つだけ気にかけてほしい点があります。

ひとつは、お金。新築時も高めですし、壊れたときの修理・交換の費用も高くなりがちです。

もうひとつは、”その設備が将来も残っているか”。エコキュートやガス給湯器に比べると台数が少なく、製品としてずっと供給され続けるかが読みにくいんです。10年後に交換しようとしたとき、部品や後継機で困らないか——ここは、少し慎重に見ておきたいところです。

【設計者の盲点】給湯器の”交換スペース”を、外構で塞がないで

最後に、他ではあまり語られない、でも本当に大事な話をひとつ。

さきほどお伝えしたとおり、給湯器は10〜15年で必ず入れ替えます。とくにエコキュートは貯湯タンクが大きいので、”入れ替えるための通り道とスペース”が要るんです。

ところが、住み始めてから、植栽や物置、ウッドデッキなどを、ご自身で手配して庭に作ってしまうことがあります。専門家が関わらないまま給湯器のまわりを固めてしまうと、いざ交換というときに、それらを撤去したり動かしたりしないと作業できない、ということが起こります。

そうなると、給湯器の費用とは別に、余分なお金と手間がかかってしまうんですね。

新築のときに、やっておきたいこと

外構や庭づくりも含めて「10年後、給湯器を入れ替えるときの動線」を一緒に考えておく。これだけで、将来の余計な出費をぐっと減らせます。

おわりに

エコキュートは、「後悔」という言葉が目立つ設備です。でも、その多くは”弱点を知らずに選んだ”ことから来ています。

湯切れや水圧、そして10〜15年後の交換費用。この辺りを先に知ったうえで、自分の地域と暮らしに合うかを考えれば、後悔はぐっと減らせます。設備を”壊れたときまで”考えて選ぶ大切さは、新築後にお金がかかる家の共通パターンをまとめた記事でもお話ししています。

給湯器は、毎日おふろやシャワーで使う、暮らしのすぐそばにある設備です。だからこそ、目先の値段だけでなく、10年後まで見据えて、じっくり選んでもらえたらうれしいです。

(補助金:エコキュートやハイブリッドは、国や自治体の省エネ補助金の対象になることがあります。金額や条件は年度で変わるので、最新は補助金・減税をまとめた記事もご参考に。※2026年時点)

よくある質問

Q1. エコキュートは何年で壊れますか?

8年目あたりから故障やエラーが出はじめ、10〜15年で交換になることがほとんどです。交換費用は撤去・処分込みで40〜60万円ほどが目安です(2026年時点)。

Q2. エコキュートをやめてガスに戻すべきですか?

一概には言えません。ガスは交換が安い一方、エコキュートは毎月の光熱費が安めです。とくにプロパンエリアはエコキュートが総額で有利になりやすいので、光熱費と交換費用の両方で比べましょう。

Q3. エコキュートの容量は何リットルを選べばいい?

目安は家族の人数です。3〜4人なら370L、4〜5人なら460L、5人以上なら550Lあたりが基準。湯切れが心配なご家庭は、ひとつ上の容量にしておくと安心です。

Q4. 都市ガスとプロパン、エコキュートとどっちが得ですか?

都市ガスのエリアはガス(エコジョーズ)も検討しやすく、プロパンのエリアはエコキュートのほうが総額で安くなりやすい傾向です。まずは自分の地域がどちらかを確認しましょう。

Q5. 後悔しない給湯器の選び方は?

「買うときの値段」だけでなく「10〜15年後の交換費用」まで含めて、地域(都市ガス/プロパン)と暮らし(水圧・湯量・衛生面)で選ぶことです。売る側の一押しをうのみにせず、総額で比べましょう。

コメント

タイトルとURLをコピーしました