住宅ローンの借り換えは「するべき?」損する人・得する人の判断基準と、現場で見てきた実例をやさしく整理

住宅ローン
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はじめに

「金利が上がってきた」というニュース。あるいは銀行から届いた「固定期間終了のお知らせ」。——うちの住宅ローン、このままでいいのかな?借り換えってするべき?と気になっている方、多いと思います。

先に正直なところをお伝えすると、借り換えは「得する人」と「しないほうがいい人」がはっきり分かれます

私は銀行員でもファイナンシャルプランナーでもなく、住宅会社で20年、家づくりとその後のお客さんに伴走してきた立場です。家を建てた10年後、15年後のお客さんから「ローン、どうしたらいい?」という相談を受けることが実際にあります。だからこそ、銀行のコラムにはあまり書かれていない実例も含めて、判断材料を整理してお伝えできればと思います。

借り換えの仕組みと「ざっくり目安」

まず基本から。借り換えとは、今のローンを別の銀行の新しいローンで一括返済して、乗り換えることです。新しいローンの金利が低ければ、その分だけ利息の負担が減る、という仕組みですね。

よく言われる目安は、この3つです(2026年時点の一般的な目安です)。

  • 残りの返済期間が10年以上
  • ローン残高が1,000万円以上
  • 今と借り換え後の金利差が0.5%以上

なぜこんな目安があるかというと、借り換えには諸費用が30〜70万円程度かかるからです。事務手数料、登記のやり直し、印紙代…。つまり「金利が下がる=即お得」ではなく、諸費用を払ってもなお得かどうかが判断の分かれ目なんです。

このあたりのお金の中身は、住宅ローンの諸費用を整理した記事で詳しくお伝えしています。

得しやすい人・慎重になったほうがいい人

得しやすいのはこんな人です

  • 残りの期間が長く、残高が大きい人(利息の節約効果が大きい)
  • 借りた当時の金利が今より高い人(10数年前に固定金利で借りた方に多いパターン。後ほど実例でお話しします)

慎重になったほうがいいのはこんな人です

  • 残りが数年・残高が数百万円の人:金利が下がっても、諸費用に食われて「ほぼ変わらない」ことがよくあります
  • 健康状態に不安がある人:意外と知られていない落とし穴です。借り換えでは団体信用生命保険(団信)に入り直す必要があります。年齢を重ねてからの借り換えになるので、ちょっとした疾患があることで団信に入れず、そもそも借り換え自体ができないケースがあるんです。借り換えを考えるなら、健康なうちに動くのもひとつの判断です
  • 住宅ローン控除を受けている人:借り換え後も控除は続けられますが、条件があります。新しいローンの返済期間を10年未満にしてしまうと控除の対象外になります(詳しくは国税庁の解説ページを参照。2026年時点)。期間設定には注意してください

実例①「固定期間が終わったら、金利が跳ね上がる」問題

ここからは、現場で実際にあった話です。

10数年前に家を建てた方に多いのが、当時の「5年固定」「10年固定」で借りているケースです。この固定期間が終わるタイミングで、何が起きるか。

実は、多くのローンは「当初期間だけ優遇幅(金利の引き下げ幅)が大きい」仕組みになっています。固定期間が終わると優遇幅が減ってしまうので、再度固定金利を選ぼうとすると、かなり金利が上がってしまうんです。

「固定期間終了のお知らせ」が届いてから慌てて相談に来られる方は少なくありません。私が見てきた中でも、このタイミングで借り換えの相談や仮審査に動いたケースは実際にあります。今の銀行に何も言わずそのまま更新するのが、一番もったいないパターンです。

実例②借り換え審査の結果は「交渉材料」になります

そして、これが今回一番お伝えしたい話です。

借り換えの相談や事前審査をして出た金利を持って、今借りている銀行に「この条件が出ているんですが」と交渉して、金利を下げてもらえたケースが実際にあります。

銀行からすると、お客さんに他行へ移られてしまうと残りの利息がゼロになります。それなら金利を下げてでも引き留めたほうがいい——そういう判断が働くことがあるんですね。最近は金利が上がってきていますが、それでも交渉で一定まで下がるケースは見受けられます

つまり、借り換えの事前審査を受けると、

  1. そのまま借り換える
  2. その条件を材料に、今の銀行と交渉する(借り換えの諸費用がかからない!)

という2つの選択肢が手に入るんです。審査を受けること自体に価値がある、と私が考える理由はここにあります。

実例③リフォーム費用を「上乗せ」する借り換え

もうひとつ、築15年以上の方に知っておいてほしい実例です。

築15年を超えてくると、外壁や水まわりなど、200万円を超えるような増改築・リフォームの話が出てきます。このとき「自己資金だけでは厳しい」となる方は珍しくありません。

そこで、借入当時の金利が高かった方の場合——借り換えで金利が大きく下がるなら、リフォーム分の金額を上乗せして借りても、月々の返済額はそれほど変えずに済んだ、という実例があります。リフォーム工事をご依頼される方には、一定の需要がある方法です。

家のメンテナンス費用は築10〜20年で集中的にやってきます。築年数別のメンテナンス費用をまとめた記事や、外壁塗装の時期と費用の記事もあわせて、家の出費とローンの見直しをセットで考えると、家計の選択肢が広がります。

借り換えの注意点【正直に言います】

最後に、注意点をまとめます。

  • 団信と健康状態:先ほどの通り、入り直しです。健康状態は十分チェックしてください
  • 「見た目の金利」だけで判断しない:金利は安くなったけど、諸費用を入れたら総返済額があまり変わらなかった——これが一番よくある「がっかり」です。必ず諸費用込みの総返済額で検証してください
  • 住宅ローン控除の条件:返済期間10年以上をキープすること(2026年時点)
  • 返済期間を延ばすと月々は減るが、総額は増える:月々の負担を軽くしたい場合の手段としてはアリですが、トータルでは利息が増えることは知った上で選んでください

迷ったら、「自分の数字」を事前審査で見るのが一番です

ここまで読んで「うちはどっちだろう?」と思った方へ。

一般論でいくら考えても、結論は出ません。金利は、あなたの年齢・残高・残り期間・健康状態で個別に決まるからです。だからこそ、有利そうな金融機関で相談・事前審査をして、「自分に出る金利」を見てから考えるのが、結局一番の近道です。

数字が出れば、「借り換える」「今の銀行と交渉する」「やめておく」——どれを選んでも、根拠を持って決められます。

どの銀行が有利かを自分で一行ずつ調べるのは大変なので、無料の比較サービスで横並びにしてから動くと効率的です。借り換えでどのくらいメリットが出るかのチェックも無料でできます。

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住宅ローンの基本から振り返りたい方は、住宅ローンの全体像をまとめた記事もあわせてどうぞ。

おわりに

借り換えは「みんなするべきもの」ではありません。残りが少ない人、健康面で団信に入れない人には向きませんし、諸費用を忘れて飛びつくと「思ったほど変わらなかった」になります。

でも、10数年前の高い金利のまま、固定期間終了の通知を放置しているなら——動かないことが一番の損かもしれません。借り換えるにせよ、交渉するにせよ、まず自分の数字を知ること。家のメンテナンス費用がかさみ始める時期だからこそ、住まいのお金全体を一度見直してみてください。

これから家との長い付き合いを考えていく方の参考になれば嬉しいです。

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