住宅ローンの審査は何を見ている?落ちる理由と「通りやすくするコツ」を住宅の専門家が解説

住宅ローン
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住宅ローンを考え始めると、「自分はちゃんと審査に通るのかな」と不安になりますよね。実際、ご相談でもいちばん多い心配ごとのひとつです。

ただ、審査が何を見ているのかを知っておけば、必要以上に怖がることはありません。むしろ、事前に準備できることもたくさんあるんです。

今回は、たくさんのお客さまの審査に立ち会ってきた立場から、審査で見られるポイントと、つまずきやすい人・通りやすくするコツを、やさしく整理してみますね。

審査は「年収」だけじゃない|見られる主なポイント

「審査は年収で決まる」と思われがちですが、実際はもっといろいろな項目を総合的に見ています。年収はもちろん大事ですが、それだけではないんですね。

たとえば、年収に対する返済の割合(返済負担率)、勤続年数、勤め先の規模や雇用形態、健康状態(団信に入れるか)、過去のお金の使い方(信用情報)、買う物件の担保としての評価、そして自己資金がどのくらいあるか。こうした要素を組み合わせて判断されます。

なかでも見落とされがちなのが、「他の借入」「信用情報」、それに「事前審査と本審査の違い」です。ここからは、その3つを中心に掘り下げていきますね。

【意外な天井】”他の借入”が借入枠を食う

住宅ローンでいくらまで借りられるかは、返済負担率という考え方で決まります。これは年収に対して年間の返済額がどのくらいかを見るもので、目安は年収の30〜35%くらいまでとされています(2026年時点・金融機関で変わります)。

ここで大事なのが、この「返済額」には住宅ローン以外の借入も含まれることです。つまり、他にローンがあると、そのぶん住宅ローンに回せる枠が減ってしまうんですね。

いちばん多いのが、車のローンです。車のローンが残っていると、「完済すること」を条件にしないと希望額が借りにくかったり、条件が悪くなったりすることがあります。

なので、自己資金とのバランスを見ながら、「車のローンを先に返すか」「住宅ローンと両立できるか」を一緒に考えることが多いんです。ここは早めに整理しておきたいポイントですね。

意外と見落とされやすいのが、スマホの分割払いです。これは審査で見ない銀行もありますが、見られることもあるので、頭に入れておくと安心です。

それから、車の「残クレ(残価設定クレジット)」も要注意です。月々の支払いが軽いので借入だと思っていない方が多いのですが、これも立派なローンとしてカウントされることがあるんです。

実際に、「思ったより借入枠が取れない」というケースがありました。詳しく調べていくと、いろいろなカードで分割払いをくり返した経歴があったんです。

この方はクレジットカードを何枚も持っていて、その多くで分割払いを使ったことがありました。そのため、「これからもたくさん借りる可能性が高い人」と見られてしまったのかもしれません。

最終的に、使っていないカードを複数枚解約したところ、借入枠が希望額の満額まで戻りました。こうしたケースは、実は一度や二度ではないんです。カードの持ちすぎ・分割の使いすぎには、気をつけておきたいですね。

事前審査と本審査は、別物です

住宅ローンの審査は、ふつう「事前審査」と「本審査」の2段階で進みます。そして、事前審査が通ったからといって、本審査も必ず通るとは限らないんです。

ひとつは、団信(団体信用生命保険)です。健康状態の告知は本審査のタイミングなので、ここで団信に通らないと、住宅ローン自体が組めなくなることがあります(団信の選び方は団信(団体信用生命保険)の選び方をまとめた記事で書いています)。

もうひとつは、事前審査のあとに状況が変わるケースです。事前審査が通ったあとに車を買ってローンを組んだり、カードの引き落としを滞納したり、転職したりすると、減額されたり、最悪通らなくなったりすることがあります。

これは前回お伝えした「融資実行前の退職に注意」という話とまさに同じですね(夫婦で住宅ローンを組む3つの方法をまとめた記事)。家づくりの途中で、大きな買い物や転職はできるだけ避けたいところです。

もうひとつ知っておきたいのが、自営業・会社経営者・ご親族の会社にお勤めの方のケースです。この場合、事前審査の時点でその情報をきちんと伝えて審査してもらわないと、本審査で業績を厳しく見られて、通らなかったり条件が悪くなったりすることがあります。

見落としがちな「信用情報」

さきほどのカードの話にもつながりますが、過去のお金の使い方は「信用情報」として記録されています。クレジットカードやスマホの分割、奨学金などの支払いを延滞した記録は、一定期間残るんですね。

もし「昔、引き落としができなかったことがあったかも」と心当たりがあるなら、自分の信用情報を取り寄せて確認することもできます。気になる方は、開示請求という手続きで自分の記録をチェックしておくと安心です。

【現場の実感】銀行によって、基準は大きく違う

ここがいちばんお伝えしたいところです。実は、審査の基準は金融機関によって本当にバラバラなんです。

たとえば、自己資金が多いと通りやすかったり、勤め先の規模が大きい・勤続年数が長い・国家資格を持っている、といった要素で評価が変わってきます。公務員の方や国家資格をお持ちの方、一定以上の規模の企業にお勤めの方などは、条件が良くなりやすく、借入枠も大きく取れることがほとんどです。

一方で、自営業の方は、ふだんからお付き合いのある金融機関だと、審査が通りやすい傾向があります。取引の実績を見てもらえるからですね。

転職直後の方も、あきらめなくて大丈夫です。転職して最低3か月ほど経つと審査の土俵に乗せてくれる金融機関もありますし、自己資金が多めだったり他の借入がなかったりすれば、通るケースもありました。

つまり、ある銀行でダメでも、別の銀行なら通る、ということがふつうに起こります。一度の結果でがっかりせず、自分に合いそうな金融機関を探すことが大事なんですね。

審査で後悔しないための行動指針

最後に、審査をスムーズに進めるための準備を整理しておきますね。

ひとつめは、借りる前に「他のローン」を整理しておくことです。車のローンや残クレ、使っていないクレジットカードは、早めに見直しておくと借入枠を確保しやすくなります。

ふたつめは、家づくりの途中で大きな買い物や転職をしないことです。事前審査から融資の実行までは、できるだけ状況を変えないのが安心です。

みっつめは、1つの銀行の結果で判断しないことです。基準は金融機関でまったく違うので、まずは中立に複数の選択肢を見比べてみるのがおすすめです。住宅ローン全体の流れは、はじめての住宅ローンの全体像をまとめた記事で整理しています。

なお、すでに住宅ローンを返済中で見直したい方は、借り換えのときにも同じように審査があります(住宅ローンの借り換えをまとめた記事も参考に)。

おわりに

住宅ローンの審査は、年収だけでなく、他の借入・信用情報・勤め先・健康状態まで、いろいろな角度から見られます。でも、仕組みがわかれば、事前に準備できることはたくさんあるんです。

大事なのは、借りる前に身の回りのお金を整理しておくことと、1つの結果であきらめないこと。これから家づくりを始める方が、審査を必要以上に怖がらず、落ち着いて準備できますように。この記事が少しでも参考になれば嬉しいです。

よくある質問(FAQ)

Q1. 勤続年数が短くても、住宅ローンは組めますか?

組める可能性はあります。勤続2年ほどを目安にする銀行が多いですが、転職して3か月ほどで審査してくれるところもあります。自己資金が多めだったり、他の借入がなかったりすると、通りやすくなりますよ。

Q2. 車のローンがあると、住宅ローンは通りませんか?

必ずしも通らないわけではありません。ただ、車のローンも返済負担率に含まれるので、借入枠が減ったり「完済が条件」になったりすることがあります。自己資金とのバランスを見て、早めに整理しておくのがおすすめです。

Q3. 審査に落ちてしまったら、どうすればいいですか?

あきらめる必要はありません。審査の基準は銀行によって大きく違うので、別の金融機関なら通ることもよくあります。落ちた理由に心当たりがあれば、他の借入やカードを整理してから、中立に複数を比べてみてくださいね。

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